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マイメロディandクロミの監督の新作だ!『キャンディーカリエス』って低予算「スタジオライカ」的なやつじゃね?

去年のネトフリアニメ、『マイメロディandクロミ』の監督、というか『PUI PUIモルカー』の見里朝希、の新作『キャンディーカリエス』。TBSの『よるのブランチ』内ではじまったぜ。ブランチは朝も昼も夜も大変だな。「ブランチ」とは一体・・・。

YouTubeでもご覧頂けるようにしてくれているので、ご覧させてもらう。

かわい〜。おしゃれ〜。いいじゃんこれ。いいと思う。まず監督らしい気色悪い設定がいい。ガキの口の中に虫歯ギャルがいて、そいつがママって呼んでくるって、気味悪すぎていい。そしてアクリルっぽいきゅるきゅるぴかぴかした質感からなるビジュアルは、この時代にそれなりにはまっている。ちょっと行儀が良すぎる気もするくらい。
てかこれ、グッズ化しやすそうすぎる。アクリルみたいな質感のキャラクターは、アクリルでつくったらもう本物じゃんね。グッズたくさんつくってたくさん売ってほしい。

ってところでこれを見てほしい

この投稿の3枚目の写真がこれ

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キャラクターの各パーツが細かく名前をつけられ管理されているのがわかる(あとひっつき虫)。「左 通常」とか「左 細長」とか。これらを細かく入れ替えてアニメーションを作ってるんだろうね。

クレイアニメーションだったり、監督の過去作のようなパペットだったりは、基本となるモデルが可動式で、それを少しずつ動かして作るもの。もちろん顔のパーツだったり細かい部分では、さっきの写真みたいにさまざまなパターンを用意していたと思うが、今作はそういった部分だけでできているアニメーションってこと。

こういうメイキングを見て思い出すものといったら、アメリカの「スタジオライカ」というアニメスタジオ。2000年代後半から3Dプリント技術をストップモーションアニメに持ち込み、それまでにない表現を可能にしたとかで、すごいところ。

『コララインとボタンの魔女 3D』(2009)のメイキング映像↓。こういう動画がたくさん公開されている。

3Dプリンターを販売している会社が自社の製品を自慢するためにライカについて取り扱っている記事があった(英語だけど翻訳機能とかで読んだ)。

https://www.javelin-tech.com/3d/3d-printing-stop-motion-characters/

こういうところでとりわけ強調されるのは、キャラクターたちの顔のパターンが何万通りとかになってすげーんだってこと。それだけの種類のパーツを最新のテクノロジーを使って作ることができ、それによってストップモーションアニメに新しい風を吹かせまくったりしていたらしい。素人目線では、その数字にたんに圧倒される。マジ凄そうですごい。でも管理とか大変そう。考えたくない。

そんなライカ作品は、進化すればするほど3DCGアニメーションと見た目の区別がつかなくなってきて、もはやよく分からない領域にまで到達しているのだが、それは置いておく。

『キャンディーカリエス』のメイキングも公開されている。というかさっきのツイートはその記事への案内。

https://sculptors.jp/topics/31214

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レーザーカッター!!!テクノロジーを使ってる!!!すごい!!!

なんてまあ、ちょっと茶化してみたりしましたが、んな技術はもう随分前からありますから、驚くことでもない。でもね、工業用ではないレーザーカッターは2010年代くらいから普及してきた印象で、それをストップモーションアニメにがっつり使おうって話は意外ときいたことないです。

んでこれ、ライカの3Dプリント技術へのアプローチとちょっと似ているというか全然違うというか、今の日本でストップモーションアニメを商業的に作るにあたり、アニメーションとして豊かで魅力的でありながら予算や制作期間をエコにまとめていく方法として、かなり賢いアプローチなのではなかろうか。そして出来上がってきたものが結構良さげで、すげぇな・・・と私はなっている。ってかアニメとしてかなりいいと思う。今後がめっちゃ楽しみ。

そしてやっぱり、数字を自慢するよね!!!分かんないけど、すげーわこの数。

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ストップモーションアニメといえば、ひとりの作家が孤独に作り上げた狂気の芸術!って感じで『JUNK HEAD』などが人気だけれど、でもアニメってそういう魅力ばかりではないじゃん?そもそもさ、手描きアニメーションだってさ、絵が動いてるんだよ?絵は動くわけないのにさ。異常だろそんなの。私からしたら全てのアニメが異常なのだわ。なので、そういう異常なビジネスを現実的なところでどう実現するか、作り手たちが色々考えてるところも、面白いと思うのですよね。そしてキャンディーカリエスは、ありふれた技術を使って新しいことができていて、えらいなあと思うのでした。

ちなみにこの作品、監督がアニメーション制作会社「WIT STUDIO」と共に「TOROKU」というストップモーションアニメスタジオを作った?らしいよ。このスタジオがWIT STUDIOにとってどういう立ち位置にあるのかはちょっと分からんが、気にしていきたい。